日々是流流

“細工は流流仕上げを御覧じろ”~より善く生きるためのその時々の記録です。

箱庭体験

3月12日(土)、日本産業カウンセラー協会主催の箱庭体験会に行ってきました。これは回数も定員も限られていて、募集をするとすぐに埋まってしまう人気講座。運よく参加できてよかったです。

箱庭療法は、1929年にロンドンのマーガレット・ローエンフェルトによって開発された“The World Technique"がその源流です。元々は言語表現が不十分な子供向けに、その内的世界を表現するために使われました。

その後、ユング心理学者のカルフが大人向けにも効果のあることを確信し、大人の心理療法にも発展させました。それを日本に紹介したのが河合隼雄先生です。もともと日本には「盆石」や「箱庭」という盆や箱の中に風景を創作するものが室町や江戸の頃から行われていたため、「この技法は日本人向きだ」と直観的に感じたそうです。

体験会では、最初にオリエンテーションや自己紹介、簡単な解説があった後、順番を決めて箱庭制作に入りました。制作時間は一人30分と振り返りが20分。3台の箱庭を3人で、計9名が参加でした。

こういったものは知識に縛られてしまうと、本来の目的である内的世界の表現ができなくなるので、これまで箱庭療法に関する知識はそんなに入れないようにしていましたが、継続してやっているコラージュの方で入れた知識がどうしても出てきてしまいます。

それでも、直感で、そのときしたいことをして、置きたいものを置くというように進めました。

私は2回目なので、今回は「潤砂」と呼ばれる少し湿ったように感じる砂を選びました。サラサラした砂も気持ちいいのですが、この少し湿った感が、小さい時の「お砂場」を思い出させるのです。

 

今回作ったのはこちら↓

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最初に真ん中に川をつくり、その後左上に山をつくりました。

左上に観音様と花を配置。

その後緑のものを置いて行って、川を渡ろうとしている「亀」や「カエル」を置きました。

右下は平和な雰囲気を出すために羊をおいて、生活に必要な水をあらわすために井戸を置きました。ここらへんは村上春樹色になっています笑

右側にある黒い動物やカラスたちは、現実世界における哀しみや怒り、愚かさ、狡猾さなどの「シャドウ」を表しています。

こういったものが神聖な山にまさに向かってこようとしている。

そういった夢を見ているという設定で下側にベッドを置き、自分が寝ています。

 

箱庭では、それらがどういったことを表しているのかというアセスメントのようなことは行いません(行う流派もあるそうですが、昨日の先生は行わないとのことでした)。ただ、できあがった作品を味わうのだそうです。

つくっているあいだ、どんな内面の動きがあったか。できあがったものを見てどんなことを感じるか。

 

私自身は、つくっている間はほんとうに集中していて、周りの人が全然目に入らず、何となく気になったものを並べていったらこんなものになったという感じでしたが、できあがってみると最近シャドウの統合についての本を読んでいた影響や、自分の中にすべてが存在することを受け入れられるようでありたいと思っていたことなどが出ていてとても納得感がありました。

いろんな動物や生物がある中で、「亀」と「カエル」が気になったのも、変わらないものと変わるものの象徴なのかな、という感じがします。

 

ちなみに5年前、2011年7月につくったのが下記です。

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ここでも「亀」を使っているんですが、このときは震災のあった年で、エネルギーが少ないというか、あんまり置きたくない気持ちが強かったのですが、今回は山とか森とか、もりもり置いているのが大きな変化だなと思います。

箱庭もコラージュも、継続してつくっていくことで、内面の変化を感じることができます。あまり意味はつけずに、定期的に続けていってみようと思います。