"間"の引力~青年団『革命日記』を観てあらためて
演劇はお好きですか?
実は私は、映画と違って、演劇とかミュージカルが苦手で、観に行っても寝てしまうことも多かったのですが、ここ数年は逆にその苦手意識を克服しようと、あえていろんな舞台を観に行くようにしていました。行っているうちにそのおもしろさがわかるかな、と。
で、昨年は観に行くだけでは飽き足らず、演劇のレッスンにも通い始めました。
いい年して今から役者を目指すというよりも、演劇の奥深さや、演劇を通して人間を理解するという目的が主ですが。
まあ、まだまだ演劇の扉の外から、その世界がどうなっているか覗いているような段階ですが、それでも、どうしてみんな演劇にはまっていくのか、その片鱗は大分見えてきたような気がする今日この頃です。
さて、今日はこまばアゴラ劇場にて
を見てきました。
今回は、“無隣館”という、こまばアゴラ劇場と青年団の演劇人の育成機関の第3期の修了公演で、青年団の俳優さんと3期生の方たちのコラボという形でのお芝居でした。
平田オリザさんの脚本や演出の特徴はいろいろありますが、セリフが重なること、そして計算された"間"というのが、なかなか他にない部分かなと思います。
なので、ストーリーに浸るというよりは、どうしてもそういう部分が気になってしまい、注意して観ていました。
あとは、やっぱり青年団の役者さんはうまいですね。声の通りもそうですが、間が絶妙で。ほんとに微妙な差なんですけども、観ている側をぐーっと引き寄せる引力みたいなものを生み出すんですよね、その間が。
ストーリーうんぬんとか、お芝居としての完成度とか、そういうのは私はまだまだ素人なのでわかりませんが、“無隣館”の若手のみなさんの演技も、エネルギッシュでひたむきで、また観たい!と思わせられるものでした。
演劇の舞台をちゃんと観に行くのは久しぶりでしたが、やっと余裕ができてきたので、これからまた定期的に行こうと思います。
青年団のお芝居はこれで4回目かな?
自分の備忘録のために、リンクしておこう。
『笑い話・別れ話・割り切れない話』|若手自主企画公演履歴|青年団リンク・若手自主企画|青年団公式ホームページ
青年団+大阪大学ロボット演劇プロジェクト アンドロイド版『変身』|公演履歴|公演案内|青年団公式ホームページ
ところで、実はわたしは、2010年に青学のWSD(ワークショップデザイナー育成プログラム)で初めて平田オリザさんのワークショップを体験して衝撃を受けてから、結構地味に平田オリザさんのおっかけをしています。
書籍はもちろん全部買って読みましたし、
2013年には、
平田オリザさんと創る【表現力を磨く演劇ワークショップ】| 慶應MCC agora
に参加した後、
DOD主催のワークショップへの登壇をお願いして、2回お越しいただきました。
(facebookで告知したら、一晩で定員がいっぱいになって驚きました!)
ちなみに、私が平田オリザさんから受けた衝撃というのは、
「こんなに難しいことを、こんなにシンプルに、こんなにわかりやすく言葉にできる人が世の中にいるんだ!」
というものでした。
劇作家とか、演出家とか、さらに世界中で活動されているという背景があって、さらに文化人としても様々な活動に力を入れていらしてと、いろいろな意味ですごい方ですが、私はやっぱりその言葉を扱う力を一番すごいなあと尊敬しています。
尊敬というか、私自身の目指す姿です。
それは演出家になりたいという意味でなく、「難しいことを、シンプルに、わかりやすく言葉にする」という点で。
今後もいろいろ、おっかけを続けたいと思います(笑)