日々是流流

“細工は流流仕上げを御覧じろ”~より善く生きるためのその時々の記録です。

自己啓発を”こじらせる”とはどういうことか?その3~演劇ワークショップで見つけたもの~

今回は、
・(自己啓発を)こじらせているときに取りがちな行動
・(自己啓発を)こじらせているときに考えがちなこと
について、ちょっと考えてみたいと思います。
 
「こじらせている」
というのは、どういうことかというと、これは私の体感ですが、いろいろ自己理解に取り組んでいるにも関わらず、

・生き方、働き方について、なんとなく「ぐるぐるしてる」「足踏みをしている」と感じる
・現状にそこまで大きな不満はないが、これからの自分のキャリア(人生)に何かもやもやしたものを感じている
・人間関係も仕事も、それなりに充実しているとは思うが、一方で何か不十分、不完全な感じがぬぐえない
・自己理解ができているか?というと、そんなでもないような気がする
・今後の人生について考えると、なんとなく焦りを感じてしまう
 
といった感覚です。
 
そういうとき、どんな行動をとったり、どんなことを考えたりしていたかというと、
 
SNSで他の人の行動が気になる
・リトリートとかパワースポットに行きたくなってくる
・占いやスピリチュアルの本を読んだり、鑑定に行ったりする
・楽しい、うれしい、ほっこり、ありがたい、などをSNSで人に見せて強がる
・やたら本を買う
・他の人がいいと言っている本が気になる
・一回参加したセミナーに続編があるとなんとなくいかなければと思う
・有名な人のセミナーに行く
・カレンダーを埋める 空いてる日があると何か用事を探す
・なにかしらの専門性を身につけなければと、資格取得や何かしらの認定を受ける方向に向かう
 
一方で、あまり自分でやろうと思っている行動ができていないときは、自分を正当化するために、
 
・仕事や家庭を行動しない言い訳にする
・自分が行動しない正当性(言い訳)を探し出して、さも本当のように作り出す
・人に対しても自分に対してもその言い訳でごまかす
・別の重要性をたてにする(今は家庭or仕事を一番に考えているから、といいつつ心の中はざわざわ・もやもやしている)
・職場や家庭で、なんとなく自分だけが負担を負っているような気になる
 
表れ方は人それぞれだと思いますが、一言でいうと「なんかもやもやしている」でくくれるかもしれません。もしくは「芯を外している(外れている)」とでもいう感じでしょうか。
 
こういう状態って、やっぱりなんかこんがらがっているんですよね。
だから、いったんその「もやもや」「こんがらがり」を外から眺めてみて、「こうしてこうしてこうしたらほどけるんじゃない?」と自分を他者のように見つめる必要があるんだと思うわけです。
 
で、私の場合は、結構そのこじらせ状態に対して「演劇ワークショップ」が役立ちました。
 
かれこれ10年前に、感情解放(フィーリングリベレーション)というのに参加して、役者の卵さんたちの感情表出の迫力におそれおののき、2010年には青学ワークショップデザイナープログラムで、平田オリザさんのワークショップを初めて体験して「演劇ってこんなにも人の成長や教育にとって価値が高いものなのか!」と感銘を受け、その後何回もオリザさんのワークショップに参加したり、自社主催のワークショップにオリザさんに講師としてお越しいただいたりしました。
 
その後、俳優座の演出家&役者さんのワークショップや、『緊張をとる』『集中力のひみつ』の著者伊藤丈恭さんの体験レッスンに参加したりなど、いくつかの貴重な体験を経て、劇団じゃけんの難波善明さん、大前洋子さんのワークショップに、週一で合計9か月くらい通いました。
 
難波さんのレッスンでは、身体をゆるめてほぐし、日常の無意識にできてしまっている形からずらし、完全に力が抜けたあとに、リラックスしながらも集中している状態をつくったり、自分の芯から声を出していくなど、毎回丁寧に身体を自然な状態に戻してあげることを集中してやっていました。
 
その基礎的なトレーニングを繰り返し繰り返し行うことで、舞台に立ってたとえ緊張したとしても、すぐにニュートラルな状態になれる自分に整えていくわけです。
 

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お写真はDOD主催のワークショップにお越しいただいたときの難波さんと洋子さん♪ 笑顔が素敵です。
さらに、一番私にとって影響が大きかったのが、短いシーンを演じるという「演技実習」を行うために、役作りのためのレポートを作成することでした。自己理解をする上で、これでもか!と思うほど役に立ちました。
 
ある役を演じるとき、その人物が自分とはまったく違う考え方や行動をする人物だった場合、どうしてその人がそういう考えや行動をするのか?を理解しないと、その役を演じることはできず、単にそれっぽくセリフを言っているだけのお芝居になってしまいます。
北島マヤのように役がおりてきて、のりうつる天才は、そうそういないわけです(笑)
 
そのレポートでは、物語や登場人物を様々な角度から分析し、「自分だったら」と比べながら「動機」や「背景」を理解していきます。多いときで20ページ、2万字くらいになることもあります。こんな風に劇中の登場人物を客観的に分析していくことが、同時に自分を深く理解することにつながるとは、非常に目から鱗な体験でした。


さてさて、そういうわけで、またこじらせワークショップに関連づけると、このワークショップでは、様々な演習を通して「とことん、自分じゃない誰かになりきってみる」という体験をします。その体験を通して、自分を囲っていた「見えない何か」に気づき、より広い視野、より多角的な視野で今後の自分の人生について考えていくという内容になっています。
 
そんな風に、仕組的に自分を外からとらえられるだけではなく、1日の中でキャリア理論やカウンセリング理論などがポイントをしぼって理解でき、なんか夢中になって楽しくやっているうちにいろいろ気づいてしまうというおいしさがあるわけなのですが、実はワークショップの一番の売りは「柴田さんのつっこみ」です。これが他にはないオリジナルの価値です。
 
いつも開催している貿易ゲームでも、くせになってリピーターが続出しているくらいなのですが、「はっ」「どきっ」「ぐさっ」「ぎくっ」「がびーん」「ぐわっ」と、参加者の方々から吹き出しが出ているんじゃないか?と思うモーメントが結構あります(笑)
柴田さんの鋭い(だけどあたたかい)フィードバックで、場の空気がギュイイーンっと変わるんですよね。
それぞれが「自分の囚われ」に気づいて、そこにヒビが入ったり、割れて落ちるような瞬間になるわけです。
 
これが擬音語や擬態語でしかあらわせない、なんだか「クセになる」と評判のこのワークショップの一番の価値なのです。


ということで、3回にわたって「自己啓発をこじらせるとはどういうことか?」について、自分の体験をふまえ考えてきました。

 

flow.hatenadiary.com

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私自身、なにか答えを見つけたとか、自分はこじらせ状態を卒業したとか、そういうわけでは決してありません。

「自分らしくのびのび生きよう」と思う方と一緒に対話をしていきたいと、ワークショップを企画開催している思いを、これらのブログを通して振り返ったという感じです。
 
ということで、一緒に「ぎょえっ?!」という体験をしてみたい!というお仲間を募集しております。ぜひこの機会に参加してみませんか?
演技なんて呼べるほどの演技の時間はありません、棒読みで全然大丈夫です(笑)

【詳細はこちらです↓】 10月12日(土)開催 

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