自己啓発を”こじらせる”とはどういうことか?その2~MBTIのセッションに参加して考えたこと~
2017年にMBTIの体験セッション(ベーシックとアドバンス)、2018年にSTEPⅡのセッションと、合計3回参加した。
いつもながら、MBTIとは何か?の説明は、本元のサイトをご覧いただけるといいかと思いますが、ポイントを抜粋すると
MBTIとはユングのタイプ論をもとにした、世界45カ国以上で活用されている国際規格に基づいた性格検査です。
一人ひとりが、自分の心を理解し、 自分をより生かすための座標軸として用いることを最大の目的にしています。
他の心理検査と大きく違うところは、(中略)MBTIに回答した本人が、 自分についての洞察を深め、自分のベストフィットタイプ(もっともしっくりくるタイプ)を見つけ出す過程(プロセス)そのものを重視しているところです。
MBTIの指標は4つあり、その組み合わせにより16のタイプに分かれている。
EI指標:外向(E)-内向(I)
どこに関心を向けることを好むか。どこからエネルギーを得るか?
SN指標:感覚機能(S)-直感機能(N)
どのように情報を取り入れることを好むか?
TF指標:思考(T)-感情(F)
どのように結論を導くことを好むか?
JP指標:判断的態度(J)-知覚的態度(P)
どのように外界と接することを好むか(生活やライフスタイルのあり方)
右利き、左利きと同じように、心にも利き手があるという考え方で、素の自分は自然体ではどういう心のスイッチが入りやすいか?というものを見ていく。どちらが正しいとか、どちらが良いとか、どちらが優れているとかではなく、「利き手」と同じでそっちの方が使いやすいため、その志向の行動を発達させやすい傾向がある。ただ、右利きの人でももちろん左手がつかえて、訓練次第で発達させられるように、自分と反対の志向が使えないというわけじゃない。
セッションでは、結構な時間をかけて一つひとつの志向について説明や実習があり、それを通して自分のタイプをその場で理解しながら自己像を作っていくような感じだった(粘土でペタペタと像を作っていく感じ)。あとは十数名の参加者がそれぞれのタイプに別れて話をしていくので、タイプごとの違いがものすごくわかりやすかった。
私は1回目は自分で「INFP」だと思い込んでいたのだけれど、2回目に「F」グループの中で発言している様子を見ていた講師から「Tの疑いがある(笑)」と指摘され、「T」に移動するという経験をした。結果、「INTP」である(はずだ)。
セッションに参加していると、人は本当に違うんだなということがものすごくよくわかる。
すべての指標において、自分とは逆の人がいる。
4つとも重ならない、逆の人がいる。
言ってみれば、自分と正反対の人だ。
そうすると若干、お互いに理解し合えないんじゃないかという気もしてくる。
今でも忘れられない講師の言葉がある。
「自分が何の価値もないと思っていることを、人生で一番大切だと思っている人がいることを理解してください」
そして、MBTIの元の理論を提唱しているユングも言っている(正しい表現ではないかもしれないが)。
人生の前半はもともとの「利き手」のタイプに光があたっているので、反対のタイプは自分の「影」になっている。
だけど人生の後半こそ、意識して違うタイプの心の使いかたをしていくことで、全体性に向かっていく。
それを「個性化」や「自己実現」という、と。
ようするに、自分の中の光も影も全部自分として統合していきましょうねということなのだろう。
で、私はこのセッションに参加して、本当によかったなあと思っている。
自分の生きづらさ(やりづらさ)や他者とうまくいかなかったことの理由を理解することにとても役に立った。
MBTIでは、自分のタイプがわかると共に、自分が苦手なタイプ、嫌いなタイプとその理由がわかる。
反対から見れば、自分が嫌われる理由もわかる。
自分ではものすごくよかれと思ってやっていることで、人が負担を感じたり、嫌だと思ったりすることがあるというのもよくわかった。
ただ、大事なのは、上記にも引用したとおりMBTIは「自分の心を理解し」「自分をより生かし」「自分についての洞察を深める」ためのものであるということ。ストレングスファインダーもMBTIも、他者を「こういう資質だ、こういうタイプだ。だからこの人はこうだ」と決めつけるためのものじゃないということは肝に銘じないといけない。
さて。
ここまでのMBTIについてふりかえったことが、前回の「こじらせ自己啓発の処方箋」ワークショップでの体験と関係してくる。
ワークショップでは「自分が嫌いな人を演じる」というワークをやる。
配られた物語の登場人物のなかから一番嫌いな人を選んで、その役作りをする。その人の要素をとことん想像してみる、そのうえで「物語の続きを創り」グループで演じてみる(それをお互いに見る)。
ここで、参加者として参加していた私は、1~2年前のMBTIセッションでの気づきなどコロっと忘れていた(笑)
役作りでは最初、嫌いなタイプの人について考えることに抵抗感が出てきた。
「こんなタイプの人のことなんてわからない」
「私だったらこんなことしないで、~する」
責める気持ち、馬鹿にする気持ちが出てきて、理解しようとする気持ちになかなかなれなかった。
(そして、この抵抗感、自分が苦手だと感じる人間関係がそのまんま現れている笑)
でも、ワークとしてやらなくちゃいけないので(タスク志向なのでそこはまじめに取り組む笑)
「どうしてこの人はこうしたんだろう?」と、その人の背景を考え、理解しようとすると、「その人なりに考えた結果としての行動なんだな」、と思えてきた。本人に悪気はなくて、理由があってそうしたんだなと。
そして、その役の人の要素を想像して書いているうちに、「え?私にもこういうところあるじゃん」と、だんだん共通点、共感ポイントが出てきた。
そして、その役の人の要素を想像して書いているうちに、「え?私にもこういうところあるじゃん」と、だんだん共通点、共感ポイントが出てきた。
その後、グループでそれぞれの役のキャラクターを共有して、「物語のその後」のシナリオをつくり発表(演技)。
終わってからまたグループでふりかえり。
※このグループプロセスでもいろいろ発見があったけど、今回は割愛。
で、終わってみて思ったのは、嫌いと思っているタイプを理解しようとすることが、まず大切なんだなということ。
また役を作り込んでいく過程で、キャラクターに付与している特徴は「自分に禁じていること」「自分に無意識にしているダメ出し」であることにも気づいた。
結局、自分の抑圧している部分を嫌いな人に投影しており、自分でそれを受け入れることができていないのだということを改めて確認した。
つくづく、MBTIでの学びが活かされていなくて残念なのだけれども(涙)、そういう風にワークショップでの取り組みを通してあらためて、自分のことを発見&確認していった。
で、私はどうしてこのワークショップの日まで、せっかくの数々の「学び」や「発見」を「こじらせ」ていたかというと、MBTIのセッションに参加してこれまで以上に「自分のことをわかった」と思ってしまっていたから。「わかった(理解した)」と、その後、じゃあ自分の特徴や傾向を活かしてどうするか?は別のこと。
ちゃんとユング先生のいうように、「心の使いかた」を「意識して」変えて、個性化に向かうということをしていなかった。
そして、ふりかえりをしていないことも大きく「こじらせ」に関係している。
ふりかえりをして引っ張り出さないと、新しい記憶が上書きされて、記憶倉庫の奥にいっちゃうから、私のようにコロっと忘れてしまう。
これを柴田さんは「やりかけたことちゃんとやりきってますか?」という意味で、「成仏させる」という表現をしていた。
そのときはアイタタ…と思いましたよ。ハイ。。。
こんな風に自分をまったく逆からとらえてみたい人は、時間が増えた分内容もこってりになる10月のワークショップにぜひ来てみてくださいね。
MBTIセッションに興味のある方はこちら
一般社団法人 日本MBTI協会公認の体験セッション(STEPⅡまでいくとかなり理解深まります)
書籍もいろいろ出ています