日々是流流

“細工は流流仕上げを御覧じろ”~より善く生きるためのその時々の記録です。

「自分の行動の原因を、自分の外に置いていないか?」と問うてみる

芸能人の不倫や薬物のニュースが連日ネットやテレビを賑わせています。このニュースの裏でまた何か不穏なことが起こっているんじゃないか?ちょっと疑いつつ、その中でふと目に留まったこちらの記事↓は、違う意味で興味を引かれました。

東出不倫への異常なバッシングは、日本の「ゆがんだ教育」が招いた | 情報戦の裏側 | ダイヤモンド・オンライン


このライターさんは、

我々(日本人)は世界の中でも有数の「個人の勝手な行動」に対して厳しい国民であって、この他人の振る舞いへの異常な執着心が、常軌を逸したバッシングのベースにあるのではないか

「個人の自分勝手な行動」への強烈な憎悪が、日本で最近話題になる「不寛容社会」の根っこにある

ということを主張しています。それを指摘するために、データの1つとして

www8.cao.go.jp

を参照しています。
(該当箇所しか調査結果を見れてないけど、このレポート自体かなりおもしろそう)

上記の記事によると、

日本、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンという7つの国で、それぞれ満13歳から満29歳まで1000人程度の男女を対象に実施されたこの調査では、日本の若者だけに見られるさまざまな精神的特徴や思想などが見事に浮かび上がっている。しかし、その中でも際立って「異様」な結果を示したのが、「社会規範」についての意識だ。

「他人に迷惑をかけなければ、何をしようと個人の自由だ」という質問に対して、「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」と回答した若者は、なんと49.4%。つまり、若者の半分は、他人に迷惑をかけなくても自分勝手な振る舞いは自重すべきだ、と感じているのだ。

(中略)

例えば、日本では何かにつけて「息苦しい国だ」というイメージが定着しているお隣の韓国では20.7%、マジメな国民性が日本とよく似ているなんて言われるドイツでは21%、アメリカ(15.8%)やフランス(15.2%)はもっと低い。

世界では、他人に迷惑をかけなければ何をしようと俺の勝手だろ、という若者がメジャーなのに対して、どういうわけか日本では、いかなる理由があっても自分勝手な振る舞いは許されない、と考えている若者が圧倒的に多いのである。

 

ということで、個人的にはこのアンケート結果の数値自体は「まあ、そんな感じだろうなあ」という気がします。


で、ここからが今日の本題なのですが、このアンケート結果でふと思い出したのが「貿易ゲーム」を使った研修での光景でした。

一昨年、ファシリテーター仲間の柴田朋子さんに声をかけてもらい、在日韓国人経営者団体で「貿易ゲーム」のファシリテーターをしたことがあります。

その時の様子は、下記の柴田さんのブログに詳しく(?)ありますが、

ameblo.jp

私は昨年も同じ団体で、2年連続、貿易ゲームのファシリテーションをさせてもらいました。

なんでこの経験を思い出したかというと、とにかく「圧倒された」わけです。
始まってすぐ会場全体の温度が上がるほどの熱量、行動に移す速さ、発言や交渉の回数など、いろんな面で。

私は無意識に、日本の企業で行う研修のような気持ちでその場に臨んでいたのですが、始まってすぐギアをあげなくては!と焦りを感じるほどでした。
まるでスポーツをしているように汗をかきながら、ものすごい集中力でその場に臨むことになりました(普段集中していないっていうわけじゃないんだけども(^^;)。

彼らと、普段接する日本の(主に)ビジネスパーソンとで、一番違っていたのは、表現のしかた

日本人の場合、ファシリテーターに何か質問や確認をする場合、「~していいですか?」許可を求めるような感じが多い。

だけど彼らは「~はおかしいと思う」「~なのはなぜですか?」と、自分の主張をしっかり伝えてきます。

おそらく、同じゲームをやっているので、感じること気づくことは同じようなことなのだと思うのです。何が不平等だとか、これってやってもいいんだろうか?とか。

でも、そう思った後が違う
彼らは思ったらまずやってみる。訊いてみる。
それから考える。
日本の(多くの)場では、まず考える。相談する。それから動く、もしくは動かない(動けない)ことが多いなあと。


柴田さんのブログにもこんな風に書かれています。

躊躇しない。
こんなこと聞いちゃダメかも、がない。
掟破りはやってから「バレたらやめる」的な強引さ(笑)

さぐって、譲って、相談ばかりして決めない
・・・っていうタイプより、はるかに成果が出て、改善もできて、成長が早く、結果がでる。

 

もちろん、たった数十人の参加者を見て何がわかるのだ!と思われる方もいるだろうし、そもそも個人差があるだろうけども、2回体験して2回ともとしてそうだったということ。


そんで内閣府の調査結果に戻るのだけれど、そのことが「社会規範」についての意識の結果に、おそらく関係しているのだろうなあと。

「他人に迷惑をかけなければ、何をしようと個人の自由だ」という質問に対して、「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」と回答した日本の若者は49.4%、韓国では20.7%

 
日本人が、「こんなことをしたら自分勝手と思われるから」と自分に制限をかけているとしたら、いきおい他人にも厳しくなる。狭量さにつながる。


結局何がいいたいかというと、自分が何によってドリブンされているか?に自覚的であることって大切ですよね、ということなのです。

「あの人って自分勝手だわ~」と思ったときこそチャンス。何によって自分がそう思っているんだろう?とか、「自分は誰かを断罪したり、排除しようとしたりしていないか?」とか、「本当に自分勝手な行動なのか?」と問い直してみることは、とても意味のあることのような気がします。

それはつまり、「自分の反応の原因を、自分の外に置いていないか?」と問うてみることになるからです。反応しているのはあくまで自分なのだから。


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【ここからお知らせ】

この投稿で書いた貿易ゲームを体験しつつ、自分が「ついつい」とってしまう行動に気づいて観察して、他人とフィードバックし合えるという、とってもちょうどよい機会があります。

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http://world-cafe.net/event/post-128.html

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